2026年1月05日

受診の目安チェック:2週間続くこの5サイン──精神科医が教える「そろそろ相談」のタイミング
「こんなことで病院に行っていいのかな」「もっと頑張れるはず」──そう考えて、受診をためらっていませんか?
五反田ストレスケアクリニックの院長として日々診療する中で、「もっと早く来ればよかった」という声を本当によく耳にします。実際、早期受診により回復期間が大幅に短縮されるケースは少なくありません。
精神科の受診タイミングに「早すぎる」はありません。むしろ、症状が軽いうちに専門家に相談することで、重症化を防ぎ、回復までの時間を短縮できます。
この記事では、精神科医の視点から「受診を考えるべき5つのサイン」と「2週間ルール」について、わかりやすく解説します。
精神科医療では「2週間」という期間が一つの目安になります。これには科学的な根拠があります。
一時的なストレス反応と持続的な問題の違い
私たちの心と体は、ストレスに対して「急性期反応」を起こします。これは生体の正常な防御反応であり、数日から1週間程度で自然に回復することがほとんどです。
しかし、症状が2週間以上継続する場合、それは一時的な反応ではなく、より持続的な問題に発展している可能性が高まります。
| 期間 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 数日〜1週間 | 急性期ストレス反応 | セルフケア・様子見でOK |
| 2週間以上 | 持続的な問題の可能性 | 専門家への相談を推奨 |
| 1ヶ月以上 | 慢性化のリスク増 | 早急な受診が必要 |
うつ病の診断基準との関連
国際的な診断基準(DSM-5)においても、うつ病の診断には「ほぼ毎日、2週間以上続く」という時間的要件が設けられています。これは長年の臨床経験と研究から導き出された基準です。
以下の5つのサインのうち、2つ以上が2週間以上続いている場合、受診を検討することをお勧めします。
✓ サイン1:睡眠の問題
- 寝つきに1時間以上かかる
- 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
- 朝4〜5時に目が覚めて眠れない(早朝覚醒)
- 十分寝ているはずなのに疲れがとれない
なぜ重要? 睡眠障害は多くの精神疾患の初期症状であり、慢性化すると脳の機能回復を妨げます。
✓ サイン2:気分の落ち込み・意欲の低下
- 以前楽しかったことに興味がわかない
- 朝起きるのが特につらい
- 何をするにも億劫で、始めるまでに時間がかかる
- 理由もなく涙が出る、または泣きたくなる
なぜ重要? これらはうつ病の中核症状です。「気のせい」「甘え」ではなく、脳内の神経伝達物質の変化による症状です。
✓ サイン3:不安・イライラの持続
- 漠然とした不安が常にある
- 些細なことでイライラする
- 動悸、息苦しさ、めまいが繰り返す
- 将来への悲観的な考えが頭から離れない
なぜ重要? 不安障害は適切な治療で改善しますが、放置すると日常生活に大きな支障をきたします。
✓ サイン4:身体症状
- 頭痛、肩こり、腰痛が続く
- 胃痛、下痢、便秘などの消化器症状
- 原因不明の倦怠感、疲労感
- 内科で検査しても異常が見つからない
なぜ重要? 心の問題は必ずしも「心理的な症状」だけではありません。身体症状として現れることも多いのです(心身症)。
✓ サイン5:仕事・生活への支障
- 集中力が続かず、ミスが増えた
- 決断ができない、優先順位がつけられない
- 人と会うのを避けるようになった
- 仕事や家事が手につかない
なぜ重要? 日常生活や仕事に支障が出ている状態は、すでに「様子見」の段階を過ぎています。
⚠ すぐに受診が必要な場合
以下の症状がある場合は、2週間を待たずにすぐに受診してください:
- 死にたい、消えてしまいたいという考えが繰り返し浮かぶ
- 幻聴や幻覚がある
- 激しい不安発作で呼吸が苦しい
- 自分や他人を傷つけたくなる衝動がある
「もう少し頑張ってみよう」「もっと悪くなってから」──そう考えて受診を先延ばしにすることには、実はリスクがあります。
早期受診の3つのメリット
1. 回復期間が短い
症状が軽いうちに治療を始めれば、回復までの時間は大幅に短縮されます。重症化してからでは、治療期間も長期化する傾向があります。
2. 治療の選択肢が広い
軽症段階では、カウンセリングや生活指導だけで改善することもあります。重症化すると、薬物療法が必須になることが多くなります。
3. 社会的損失を最小化
仕事のパフォーマンス低下や休職を防ぐことができます。早期介入により、キャリアへの影響を最小限に抑えられます。
「病院に行く=重症」ではありません
精神科受診に対して「敷居が高い」「重症の人が行くところ」というイメージを持つ方がいますが、これは誤解です。
現代の精神科は、予防的な相談や軽症段階でのサポートを積極的に行っています。歯医者の定期検診や内科の健康診断と同じように、「気になることがあれば早めに相談する」という姿勢が大切です。
受診を決めたら、以下の3ステップで準備を進めましょう。
ステップ1:症状を記録する
診察時に正確に伝えるため、以下の項目をメモしておきましょう:
- いつから症状があるか(開始時期)
- どのような症状か(具体的に)
- 症状の頻度と強さ
- 日常生活への影響
- 考えられるきっかけ(あれば)
ステップ2:予約を取る
五反田ストレスケアクリニックでは、以下の方法で予約を受け付けています:
- Web予約: https://gotanda-scc.reserve.ne.jp/sp
- LINE予約: https://lin.ee/Oz97P8z
※初診の方は、可能であれば午前中の予約をおすすめします(問診に十分な時間を確保できます)
ステップ3:持ち物を確認する
初診時に必要なもの:
- 健康保険証
- お薬手帳(服用中の薬がある場合)
- 紹介状(他院からの紹介の場合)
- 症状のメモ(ステップ1で作成したもの)
初診の流れや費用について詳しく知りたい方は、「初診予約の流れ」をご覧ください。
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監修・執筆者
片山 渚 医師
五反田ストレスケアクリニック院長
- ✓ 精神保健指定医
- ✓ 日本医師会認定産業医
- ✓ 産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)
- ✓ 健康経営アドバイザー
大学病院から民間病院まで幅広い臨床経験を活かし、患者さんが安心して治療を継続できるよう、わかりやすい情報提供を心がけています。
医療情報に関する免責事項
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や治療の代替となるものではありません。症状や治療法については必ず医師にご相談ください。
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