紹介状ってなんで必要?|五反田ストレスケアクリニック|五反田駅徒歩7分の心療内科・精神科

〒141-0022東京都品川区東五反田3-20-17

03-5422-6435

WEB予約
クリニックイメージ

紹介状ってなんで必要?

紹介状ってなんで必要?|五反田ストレスケアクリニック|五反田駅徒歩7分の心療内科・精神科

2025年6月03日

紹介状ってなんで必要?

精神科で紹介状が必要な理由とは?──「診療情報提供書」の意味と安心して通院を続けるために

引っ越しや職場の異動などで、かかりつけの医療機関を変える必要が生じたとき、「紹介状をお持ちですか?」と聞かれて戸惑ったことはありませんか?

精神科や心療内科では、他科に比べて「紹介状」の重要性が高く、しばしば持参を求められることがあります。

本記事では、精神科医の視点から「紹介状とは何か」「なぜ精神科で必要とされるのか」「紹介状がないとどんな問題が起きるのか」などを、わかりやすく解説していきます。


紹介状とは?正式には「診療情報提供書」

紹介状に含まれる主な情報(診断名、治療経過、処方薬など)

紹介状は、次の医師が適切な診療を行うための情報をまとめた重要な文書です。

紹介状とは、以前通っていた医療機関の医師が、現在の病状や治療経過を記した書類のことです。正式名称は「診療情報提供書」と呼ばれ、次の主治医へと情報を引き継ぐ大切な医療文書です。

紹介状に書かれる内容(例):

  • 現在の診断名(例:うつ病、パニック障害など)
  • これまでの治療経過(通院期間、治療方針など)
  • 処方されている薬とその効果・副作用
  • 検査結果(心理検査、血液検査など)
  • 生活背景や環境因子(仕事、家庭など)

「後医は名医」──情報を得た医師のほうが正確な判断をしやすい

後医は名医の概念図

豊富な情報を持つ後医は、より的確な判断ができます。

医療現場には、「後医(こうい)は名医」という言葉があります。これは、「後から診る医師のほうが、より的確な判断がしやすい」という意味です。

これをたとえるなら、「後出しジャンケンが強い」のと同じ。前医の治療経過や反応、副作用などを把握できる後医は、情報量に基づいてより安全かつ効果的な治療を提案できます。


精神科における紹介状の役割:多重処方を避けるために

多重処方の危険性を示すイラスト

多重処方は重篤な副作用や依存のリスクを高める可能性があります。

精神科では、薬の種類や処方量の管理が極めて重要です。特に向精神薬(抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬など)の中には、依存性や副作用のリスクがあるものも含まれます。

多重処方とは?

複数の医療機関から同系統の薬を処方され、結果として処方量を超えるケースを指します。

例:Aクリニックで抗不安薬を30日分、Bクリニックでも30日分 ⇒ 実質60日分を所持

このような事態を避けるためにも、紹介状で診療履歴と服薬内容を明示することが求められます。


紹介状がない場合のリスク

紹介状がある場合とない場合の診療の違い

情報があることで診療がスムーズになり、再検査のリスクも軽減します。

紹介状がないからといって、必ずしも診療を断られるわけではありませんが、以下のようなリスクが生じます:

  • 診断に必要な情報が不足し、治療方針の決定が遅れる
  • 重複検査や薬の見直しが必要になり、コストや時間がかかる
  • 安全上、必要な薬が処方されないことがある

紹介状は、自分自身を守るための”医療のパスポート”とも言える存在です。


精神科の特性:通院の「一元管理」が大前提

紹介状をもらうまでの手続き:相談、依頼、受け取り、受診

紹介状は主治医に依頼し、次の診療へスムーズにつなげます。

精神科の治療では、心身の状態を長期的に見守り、必要に応じて薬や治療方針を調整します。そのため、複数の医療機関を並行して受診することは原則避けるべきです。

紹介状によって前医と後医がつながることで、通院の一貫性と安全性が守られるのです。


よくある質問(FAQ)

Q. 紹介状がないと診療を断られますか?
A. 医療機関によりますが、安全管理上の理由から紹介状が必要な場合があります。
Q. 紹介状をお願いするのが気まずいです…
A. 多くの医師は紹介状作成を日常的に行っています。遠慮せずご相談ください。
Q. 紹介状の費用は?
A. 通常2,500円(3割負担の場合、自己負担は750円)です。セカンドオピニオン用の場合、5,000円(自己負担は1,500円)程度になります。
Q. 紹介状はいつお願いすればいい?
A. 引っ越しや転院が決まり次第、なるべく早く主治医にご相談ください。

当院からのご案内

当院では紹介状のある方はもちろん、初診の方にも丁寧なヒアリングを行っております。

安全な処方のためにも、可能な限り紹介状をご持参ください。


まとめ:紹介状は医療の”バトン”

紹介状は単なる紙ではなく、前医と後医をつなぐ「治療の連携ツール」です。

転院や再受診の際には、ぜひ紹介状をご準備のうえ、安心してご相談ください。

監修・執筆者

片山 渚 医師

五反田ストレスケアクリニック院長

  • 精神保健指定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)
  • 健康経営アドバイザー

大学病院から民間病院まで幅広い臨床経験を活かし、患者さんが安心して治療を継続できるよう、わかりやすい情報提供を心がけています。

TOP