2026年8月03日

公開日:2026年8月3日/最終更新:2026年8月3日
- 休職の診断書をもらった直後は、提出・手続き・生活設計の3領域で、やることが5つあります
- 最も大切なのは「最初の2〜4週間は何もしない」こと。焦って動くと回復が遅れることがあります
- 傷病手当金・連絡ルール・復職準備は、あらかじめスケジュール化しておくと後で慌てずに済みます
「休職の診断書を初めてもらった。でも、何から手をつければいいか分からない」——そう感じている方は少なくありません。仕事を休むこと自体が初めてなら、なおさらです。
本記事では、産業医資格を持つ精神科医の立場から、診断書を受け取った直後にやるべき5つのことを順番に整理します。急いですべてを終わらせる必要はありません。一つずつ、ご自身のペースで進めていってください。
結論を先にまとめます。診断書を受け取ってから進めることは、大きく次の5つです。

休職開始から1週間以内が目安
申請書の入手と、生活費の見通し立て
頻度・手段・窓口を最初に取り決める
この記事で最も重要なステップ
最初の通院日に主治医と共有
一度に全部やろうとする必要はありません。1〜3は休職開始からの最初の1週間、4はその後の数週間、5は最初の通院日に合わせて進めていくイメージです。
原則として、会社の人事部門または健康管理部門に提出します。上司経由が基本ですが、会社によって運用が異なるため、就業規則または人事担当者にご確認ください。
- 持参:体調が許せば最もスムーズです
- メールでスキャン送付+原本を後日郵送:多くの会社で受け付けてもらえます
- 家族による代理提出:体調が悪いときはご家族にお願いすることもできます
- 郵送(簡易書留):原本を紛失しないよう、追跡可能な方法が安心です
- コピーを1部取っておく(傷病手当金の申請や、後日の手続きで役立ちます)
- 診断書の記載内容(病名・療養期間)をご自身でも確認する
- 必要に応じて、上司に短いメール1通で状況を知らせる(長文は不要です)
傷病手当金は、健康保険の被保険者が病気やけがで働けなくなったときに支給される制度です[1]。休職中の収入を支える仕組みで、要件を満たせば多くの方が対象になります。
| 支給額 | 支給開始日以前の標準報酬月額の平均をもとに算出され、おおむね日額の3分の2相当額 |
|---|---|
| 支給期間 | 支給開始日から通算1年6か月(2022年1月の改正により通算化) |
| 待期期間 | 療養のため連続3日間休んだあと、4日目以降が支給対象 |
| 申請書の入手先 | 加入している健康保険組合、または全国健康保険協会(協会けんぽ) |
- 本人記入欄:療養期間・症状などを記入します
- 事業主記入欄:勤務状況・給与支払いの有無などを会社が記入します
- 療養担当者記入欄:主治医が療養内容や労務不能の医学的判断を記入します
お金の見通しについて
通常は1か月分をまとめて申請します。申請から入金まで2〜3か月かかることもあるため、休職開始の時点で生活費3か月分の見通しを立てておくと安心です。
休職中に会社から頻繁に連絡が来ると、回復が妨げられることがあります。逆にまったく連絡がないと、本人も不安になりがちです。休職開始のタイミングで連絡のルールを取り決めておくと、双方にとって安心です。
- 連絡の頻度:原則として月1回程度
- 連絡の手段:電話/メール/郵便など(メールが最も負担が少ない傾向)
- 連絡の窓口:人事担当者1名に絞る(上司・同僚からの個別連絡は避ける)
- 連絡の内容:体調報告、次回診断書の提出目安、復職時期の相談
- 緊急時の連絡ルート:ご家族の連絡先を会社に伝えておく
これらはメール1本で人事担当者に伝えておくだけでも、後の摩擦がかなり減ります。「体調を優先したいので、必要以上の連絡は控えたい」という意思表示は、失礼ではなく回復のための正当な依頼です。
休職は「立ち止まる」ことではありません。自分の人生を立て直すための、主体的な選択です。
当院では診断書の即日発行に対応。復職までの道筋を、一緒に考えます。
休職中、最も大切なのは最初の2〜4週間を徹底的に休むことです。焦って復職準備を始めたり、資格勉強に取りかかったりすると、かえって回復が遅れることがあります。

- 十分な睡眠(起きる時間が遅くなっても、この時期は気にしなくて大丈夫です)
- 規則的な食事(食欲がなければ少量でもかまいません)
- 短時間の散歩・日光浴
- 好きな音楽・本・動画などの軽い楽しみ
- 通院と服薬
- 仕事のメール・チャットツールを開くこと
- 資格勉強・転職活動など「休職を無駄にしない」ための行動
- 同僚との雑談・飲み会
- 飲酒量の増加
- SNSでの過剰な情報収集
「休む」ことに罪悪感を覚える方は多いのですが、この段階では何もしないこと自体が治療の一部です。最初の2〜4週間で症状のピークを越えると、その後の回復が進みやすくなる方が多く見られます。ただし回復のペースには個人差があり、期間はあくまで目安です。
休職は、通院しながら状態を見守っていくプロセスです。次のようなスケジュール感を主治医と共有しておくと、見通しが立ちやすくなります。
| 初期(休職開始〜2週) | 1〜2週間に1回 |
|---|---|
| 安定期(2週〜1か月) | 2週間に1回程度 |
| 回復期(1か月以降) | 2〜4週間に1回、状態に応じて調整 |
※上記は一般的な目安です。実際の間隔は症状や治療内容によって異なります。
診断書は通常1〜3か月単位で発行されます。療養が続く場合は、期限が切れる前に受診し、次の診断書を発行してもらってください。期限が切れると、会社側の手続きに影響が出ることがあります。
「いつ戻るか」を今の時点で決める必要はありません。ただ、どういう状態になれば復職を検討するかという目安を主治医と共有しておくと、ゴールが見えて安心につながります。たとえば「睡眠リズムが整う」「日中の活動量が通勤レベルに戻る」「復職への意欲が自然に湧いてくる」といった状態像です[2]。
当院では、院長が精神保健指定医・日本医師会認定産業医・産業保健法務主任者の資格を持ち、休職開始から復職までの道筋を一貫してサポートしています。
- 診断書の即日発行に対応(診察内容により、初診当日の発行が可能な場合があります)
- 傷病手当金申請の療養担当者記入欄への対応
- 会社・産業医宛ての診療情報提供書の作成
- 復職タイミングの医学的判断と、段階的復帰プランの設計
- 復職前のリハーサル期間の設計(生活リズムの調整・通勤練習など)
休職の診断書をもらった直後にやることは、①会社への提出、②傷病手当金の準備、③連絡ルールの取り決め、④意識的な休息、⑤通院スケジュールの5つです。なかでも最初の2〜4週間は、何もしないこと自体が治療の一部だと考えてください。
休職は、キャリアが止まることではありません。自分の力で歩き直すための準備期間です。焦らず、一つずつ進めていきましょう。
知識を得ることは、最初の一歩です。次のステップとして、あなたに合った方法を一緒に考えてみませんか。
休職は「立ち止まる」ことではありません。自分の人生を立て直すための、主体的な選択です。
当院では診断書の即日発行に対応。復職までの道筋を、一緒に考えます。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
- 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(改訂版)
- 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
休職制度の全体像、診断書の役割、復職までの流れを解説しています。
当院での診断書発行・傷病手当金申請への対応についてご案内しています。
うつ病の症状・原因・治療法について精神科医が解説しています。
職場ストレスとの関連が深い適応障害の特徴と治療について解説しています。
不安障害の種類と、それぞれの治療アプローチについて解説しています。
片山 渚 医師
五反田ストレスケアクリニック院長
精神保健指定医
日本医師会認定産業医
産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)
健康経営アドバイザー
大学病院から民間病院まで幅広い臨床経験を持つ。「薬を出して終わり」ではなく、患者が自分の力で歩き出せる状態を目指す「伴走型」の診療を実践。わかりやすい情報提供を通じて、一人でも多くの方が自分自身と向き合うきっかけを作りたいと考えている。
本記事は一般的な医学情報および制度情報の提供を目的としたものであり、個々の診断・治療方針を示すものではありません。症状の経過や回復に要する期間には個人差があります。治療上の判断や制度の適用については、主治医・勤務先の人事担当者・加入している健康保険者にご相談ください。制度の内容は改正される場合がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。